化学生命工学演習

エンジニアリングデザインとは、分子や材料、機構、装置などを、目的とする機能を果たすように、かつ理論的にだけでなく実際に機能するように設計することです。理屈ではこれでいいはず、と思えるさまざまなアイディアも、そのまま形にしても決してうまく行きません。これは、理論というものが、現実の物質の様々な性質をごく単純化した仮定のもとに構築されているからです。現実はそんなに甘くない、という事実が厳然としてそこにあり、またそこに挑戦することが工学(エンジニアリング)のもっとも重要な役割です。「かたち」と機能を結び付けていく活動は、高度な空間認知力と、かたちや状態が時間とともに変化するあり様を具体的にイメージする力が必要です。そして果たすべき機能は、薬剤が病気を治療したり、材料が過酷な条件に耐えたり、あるいは人間にとって使いやすい形や強度を持っていることなど、様々です。

化学生命工学演習1

本学科には、「目的とする機能が与えられ、その機能を果たすべく分子設計を行う」というカリキュラムとして「化学情報分析実習(上田担当分)」が用意されていますが、それよりも広い意味でエンジニアリングデザインを試みるのがこの「化学生命工学演習1(上田担当分)」です。本講義では、空間認知力の訓練として3次元コンピューターグラフィックスについて練習し、課題として「~という機能を果たす形を作ること」が与えられます。上田はオムニバス形式で2回を担当します。
H25化学生命工学演習1課題

化学生命工学演習2(週1回)

第1回:エンジニアリングデザインに関する考え方、それに必要な要件など。人工臓器の開発に関してトレンドを解説し、Scaffoldベースの細胞組織化の方法について、TEDコンファレンスのビデオを素材として解説。合わせて、卒業研究の意義や大学後の人生設計についていくつかのヒントを与え、個別具体的な研究課題のデザインから将来設計のためのデザイン能力まで、さまざまな局面におけるデザインの必要性について討論する。

第2回:OpenSCADを利用して3次元モデリングの基礎を習得する方針について説明。パラメータを用いたスクリプトの記述によるモデリングはインタラクティブではないが、モデリングの操作に自動化のしくみを与え、再構築や修正が容易になることからOpenSCADを採用する。3次元モデリングに必要な概念(manifold, face, facet, edge, vertex)を学び、サンプルスクリプトが自身のノートパソコンで体験できるまでの手順を解説する。

第3回:OpenSCADによる3次元モデリングの体験。いくつかのサンプルスクリプトを実行してみて、そのスクリプトの文法について解説する。特に制御の流れ「コントロールフロー」を記述する方法について解説する。

第4回:変数の定義と使用、関数の定義と使用について解説し、組み込み関数による3次元多面体の作図について練習する。変数の値はコンパイル時に決定されるのが前提で、ループ内で変化するような場合にはassign(){}文を明示的に利用する。実行時に決定される変数は$で始まる命名による。また、数学関数の多くは組み込みで用意されている。3次元多面体についてはfaceの集合体として記述した場合のfaceの選択の仕方についても考察する。

ツール

3Dモデリング



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